タイトーは2026年9月21日、RPG『エストポリス伝記 I&II』を2027年に発売すると発表した。対応プラットフォームはNintendo Switch 2、Nintendo Switch、PlayStation 5、PC(Steam)。1993年に発売された『エストポリス伝記』と、1995年の『エストポリス伝記II』をセットにしたタイトルで、シリーズ企画者の宮田正英氏も制作に協力する。
とはいえ、『エストポリス伝記』という名前を聞いてもピンとこない人は少なくないだろう。『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『クロノ・トリガー』のように、当時を代表するRPGとして広く知られたシリーズとは少し立ち位置が違う。筆者自身も今回の発表まで詳しく知らなかったが、調べてみると、特に『エストポリス伝記II』は1995年のRPGとしてかなり先進的なシステムを取り入れた作品だった。
そもそも『エストポリス伝記』とは?
『エストポリス伝記』は、スーパーファミコン向けに登場したRPGシリーズだ。第1作では、伝説の英雄たちと「四狂神」と呼ばれる存在との戦い、その後の時代を生きる主人公たちの物語が描かれる。
特徴的なのは続編となる『エストポリス伝記II』の位置づけだ。タイトルには「II」と付いているものの、物語としては第1作より前の時代を描く前日譚となっている。第1作で伝説として語られた英雄マキシム本人が主人公となり、彼が仲間たちとどのように戦い、どのような運命をたどったのかが描かれる。
つまり第1作を知ったうえで『II』をプレイすると、登場人物たちの行く末をある程度知った状態で、その過程を追うことになる。このストーリー構成や登場人物の描写は、現在まで作品が語り継がれている理由のひとつとされている。

『II』は1995年としてかなり先進的だった

シリーズの中でも特に評価が高いのが『エストポリス伝記II』だ。一般的なコマンド式RPGを基本としながら、ダンジョン探索そのものにアクションやパズルを取り入れていた。
ダンジョン内では敵がフィールド上に表示されており、プレイヤーが移動すると敵も動く。箱を動かしたり、アイテムを使ったりしながら仕掛けを解いて進む場面も多く、敵とランダムに遭遇して戦闘を繰り返すだけではない。RPGでありながら、ダンジョン攻略そのものを遊びとして成立させようとしていた。
さらに「カプセルモンスター」と呼ばれる仲間を育成し、一緒に戦わせるシステムも搭載していた。モンスターを育成し、進化させながら戦闘に参加させる仕組みで、1995年の作品として考えるとかなり早い。
もちろん『ポケットモンスター』のように多数のモンスターを捕まえて集めるゲームではないため、単純に比較することはできない。それでも「モンスターを仲間として育て、戦わせる」という遊びをRPGの中に組み込んでいた点は興味深い。
RPGの中にローグライクまで入っていた

なかでも現在のゲームから見ても面白いのが、「古の洞窟」と呼ばれるダンジョンだ。入ると低いレベルからスタートし、装備やアイテムを現地で集めながら、ランダムに構成される階層を進んでいく。
プレイするたびに状況が変わり、その場で手に入れた装備やアイテムを使いながら進むという仕組みは、現在でいうローグライクやローグライトにかなり近い。こうした遊びを、通常のストーリーRPGの中に独立したやり込み要素として用意していた。
近年では『Hades』をはじめ、ランダム性のあるダンジョンを繰り返し攻略するゲームは珍しくない。しかし『エストポリス伝記II』が発売されたのは1995年。30年以上前のRPGに、現在でも通用するような遊びがいくつも組み込まれていたことになる。
なぜ今になって復活するのか
では、なぜ『エストポリス伝記』が2027年になって復活するのか。
タイトーによれば、以前からシリーズの復刻を求める声があり、特に海外では『Lufia』シリーズとして根強いファンが存在していたという。今回の企画は突然持ち上がったものではなく、5年以上前から復刻に向けた取り組みが進められていた。
今回の『エストポリス伝記 I&II』では、単純に当時のゲームをそのまま動かすだけではなく、現代のハードに合わせた調整も行われる。具体的な追加機能や変更点のすべては明らかになっていないものの、シリーズ企画者の宮田正英氏が協力し、当時の雰囲気を残しながら遊びやすくする方針が示されている。
また、スーパーファミコン時代の容量制限などからひらがなの多かった会話についても、文章を見直し、漢字を使用した表現へ調整する取り組みが行われている。単なる移植というより、原作をできるだけ残しながら現代へ保存する「決定版」に近い立ち位置といえそうだ。
知らない人にこそ、今回の復活は面白い
『エストポリス伝記』は、現在のゲームユーザー全員が知っているようなシリーズではない。だからこそ今回の復活は、「懐かしいゲームが戻ってきた」というだけでは終わらない面白さがある。
シンボルエンカウントを活用したダンジョン探索、アクションパズル、モンスター育成、ランダム生成ダンジョン。今のゲームでは見慣れた仕組みも、1995年の作品として見るとかなり意欲的だ。
なぜ30年以上前のRPGがいま再び発売されるのか。その理由を追っていくと、当時のゲームとしては先進的だったシステムと、国内外で長く支持されてきた背景が見えてくる。
『エストポリス伝記 I&II』は、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、PlayStation 5、PC(Steam)向けに2027年発売予定。価格や具体的な発売時期、現代向けに追加される機能については今後発表される予定だ。



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