Insomniac Gamesが手掛けるPS5向けタイトル『Marvel’s Wolverine』が9月15日に発売された。
『Marvel’s Spider-Man』シリーズを生み出したスタジオによる新たなマーベル作品だが、海外メディアのレビューを見ると評価は一様ではない。ウルヴァリンらしい荒々しい戦闘やローガンのキャラクター描写を高く評価する媒体がある一方、戦闘の反復感や一本道のゲーム構成には厳しい意見も出ている。
今回は、各媒体が何を評価し、どこに不満を感じたのかを整理してみた。
『Marvel’s Wolverine』はどんなゲーム?

『Marvel’s Wolverine』は、『Marvel’s Spider-Man』シリーズで知られるInsomniac Gamesが開発した、PS5向けのシングルプレイ・ストーリー主導型アクションアドベンチャーだ。
主人公はもちろんウルヴァリンことローガン。かつて所属していたミュータント部隊「チームX」と再び行動をともにし、ミュータントを拉致するボリバー・トラスクに立ち向かう。舞台はカナダの荒野、日本の東京、マーベルの世界に登場する島国マドリプールなど世界各地へ広がっていく。『Spider-Man』シリーズとは異なり、本作はオープンワールドではない。ストーリーに沿ってステージを進みながら、アダマンチウムの爪を使った近接戦闘や奇襲、レイジ状態を利用した攻撃などで敵を倒していく。
表現もかなり激しく、四肢の切断を含むウルヴァリンらしいバイオレンス描写を前面に出している。日本ではCERO Z指定で、通常版の価格は8,980円(税込)。
何処を評価するのか?海外メディアの評価を対比

レビューを見ると、高評価側と辛口評価側でかなり温度差がある。
- Game Informer:8.5/10
ウルヴァリンの荒々しさを表現した高速かつ残虐な戦闘を特に高く評価。ストーリーや一本道の構成には弱さもあるとしつつ、「ウルヴァリンとして戦う」体験自体は非常によくできているとしている。 - Destructoid:8/10
Spider-Manよりも血なまぐさく、直線的で物語重視の作品であることを肯定的に評価。ストーリーや演出、ウルヴァリンらしい戦闘には満足感がある一方、約15時間のプレイを通して戦闘がやや繰り返しに感じられる点を指摘している。 - The Washington Post:3つ星
ローガンをはじめとするキャラクターや美しいロケーションは評価しつつ、「心はあるが野心に欠ける」と評した。爪を使って敵をなぎ倒すアーケード的な楽しさはあるものの、ゲームプレイには既視感があり、新鮮さには乏しいという見方だ。 - IGN:6/10
序盤の戦闘は滑らかで爽快としながらも、キャンペーンが終わるよりかなり前に底が見えてしまうと評価。ローガンの人物描写や物語は好意的に受け止めているものの、戦闘の種類やレベルデザインの幅が足りず、Insomniac Gamesの過去のスーパーヒーロー作品には及ばないとしている。 - Eurogamer:3/5
ウルヴァリンのキャラクター描写を本作の明確な長所として評価。その一方で、ゲーム全体については昔ながらのアクションゲームという印象が強く、現代のアクションゲームが進化してきたことを逆に感じさせる作品と厳しく見ている。
各レビューから見えてくる『Marvel’s Wolverine』の評価

5媒体のレビューを並べてみると、意外にも評価している部分そのものはそれほど違わない。ローガンというキャラクターの描写、アダマンチウムの爪を使った暴力的なアクション、映像や演出については、点数が低い媒体からも比較的好意的な意見が出ている。
一方、意見が大きく分かれているのは、その戦闘と一本道のゲーム構成を最後まで楽しめるかどうかだ。Game InformerやDestructoidは、オープンワールドではなくアクションとストーリーへ集中した作りをおおむね肯定している。ウルヴァリンというキャラクターに合わせた残虐な近接戦闘がしっかり成立しており、コンパクトなアクションゲームとして楽しめるという評価に近い。
対してIGNやEurogamerは、戦闘自体の第一印象は悪くないものの、長く遊ぶうちに同じ展開の繰り返しが目立つと指摘する。The Washington Postも同様に、作品としての完成度を否定するのではなく、ゲームプレイに新しさや野心を感じにくいという評価を下している。つまり、『Marvel’s Wolverine』への評価は「出来が良いか悪いか」だけで分かれているわけではなさそうだ。
『Spider-Man』のような広い世界や多彩な移動・戦闘を期待するか、それともウルヴァリンを主人公とした直線的で激しいアクションゲームを求めるか。プレイヤーがInsomniac Gamesの新作に何を期待するかによっても、印象がかなり変わりそうだ。とくに、オープンワールドと決められたルートを進む点については、プレイヤーの好みが分かれるだろう。『Marvel’s Wolverine』は、『Marvel’s Spider-Man』のように広いエリアを爽快な動きで移動する楽しさよりも、戦闘のアクションに重きを置いていると言える。そのため、マンネリ化しないアクション性や物語の没入感といった観点に注目したい。
『Marvel’s Wolverine』はPS5向けに9月15日発売。スタンダードエディションは8,980円(税込)、デジタルデラックスエディションは9,980円(税込)となっている。



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