新規FPS『WARDOGS』が早くも125万本突破 Steam同接33万人超、なぜここまで売れた?

ゲームニュース

最大100人が3陣営に分かれて戦う新作FPS『WARDOGS』が、Steamで異例のスタートを切っている。開発元のBULKHEADとパブリッシャーのTeam17は、9月10日のSteam早期アクセス開始に合わせて販売本数100万本突破を発表。その後、公式Steamニュースでは早くも125万本突破が告知された。Steamの同時プレイヤー数も発売直後に33万人を超えている。

『Call of Duty』や『Battlefield』のような長寿シリーズではない。『WARDOGS』は今回初めて登場した新規IPだ。それにもかかわらず、なぜこれほど多くのプレイヤーを発売前から集めることができたのだろうか。

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『WARDOGS』早期アクセス開始で100万本、その後125万本へ

『WARDOGS』は英国のゲームスタジオBULKHEADが開発する大規模オンラインFPS。最大100人を3つの陣営に分け、広大な戦場で「コントロールゾーン」の支配を争う。

歩兵として敵を倒すだけでなく、戦車やヘリコプターを使った戦闘、前線基地の建設、味方の輸送や蘇生などでも戦局に関われる。武器や装備、ビークルをゲーム内資金で購入する経済システムも特徴となっており、一般的な大規模FPSよりも戦術性を強く意識した設計だ。

Steamでは9月10日に早期アクセスを開始。BULKHEADとTeam17はそのタイミングで累計販売100万本突破を発表した。予約販売は8月から行われていたため、「発売後わずか数時間で100万本売れた」という意味ではなく、予約分を含めて早期アクセス開始時点で100万本に達していたと捉えるのが正確だ。その後も勢いは続き、BULKHEADは公式Steamニュースで125万本突破を発表している。

100万本って、どれくらいすごい?

ゲームの販売本数で「100万本」と聞いても、それがどの程度なのか分かりにくい。近年のヒット作と比べると、かなり見え方が変わってくる。

タイトル100万本規模への到達
WARDOGS早期アクセス開始時点で100万本。その後125万本
Manor Lords発売翌日までに100万本
Clair Obscur: Expedition 33発売3日で100万本
Kingdom Come: Deliverance II発売24時間で100万本
Monster Hunter Wilds発売3日で800万本

『モンスターハンターワイルズ』のような世界的な大型IPと比べれば、100万本そのものがゲーム業界で前例のない数字というわけではない。『ワイルズ』は発売からわずか3日で800万本を突破している。一方で『Manor Lords』は、PC向け早期アクセス作品ながら発売翌日に100万本へ到達したことで大きな話題になった。『Clair Obscur: Expedition 33』も新規IPとして発売3日で100万本を突破している。このあたりが『WARDOGS』を見るうえで比較しやすい。

既存の巨大IPではなく、現段階ではSteamのみ。しかも完成版ではなく早期アクセスだ。その条件で100万本以上が動いていることを考えると、少なくとも「一部のFPSファンだけが知る作品」という規模はすでに超えている。同じ大規模マルチプレイFPSでは、3人の開発者によって制作された『BattleBit Remastered』が発売2週間で180万本を販売して大きな成功例となった。同作は発売前に約80万件のウィッシュリストを獲得していた。『WARDOGS』はその規模に、さらに速いペースで迫っている。

なぜ新規FPS『WARDOGS』は100万本も売れたのか

もちろん、「これが理由で100万本売れた」と一つの要因へ絞ることはできない。ただし発売までの動きを追っていくと、いきなり100万本が出てきたわけではないことは分かる。まず目立つのがSteamのウィッシュリストだ。

『WARDOGS』は発表からわずか3日で10万件を獲得。その後5月に50万件、8月には100万件へ到達していた。発売約1カ月前の段階ですでに、相当数のPCゲーマーが作品をチェックしていたことになる。さらにBULKHEADは、発売前から積極的にプレイヤーへゲームを触らせている。8月に行われたクローズドβには約50万人が参加。9月の最終テストではSteam同時プレイヤー数が24万5118人まで上昇した。つまり100万本という販売数字が出る前から、「実際に遊ぶ人」が大量に存在していた。

「買わない方がいい10の理由」を開発元自身が公開

さらに変わっていたのが宣伝方法だ。BULKHEADは予約販売開始時に、なんと「WARDOGSを買わない方がいい10の理由」という約15分の動画を公開した。

そこで説明したのは、早期アクセス時点ではコンテンツが少ないこと、39.99ドルという価格、将来プレイヤー人口が減るであろうこと、グラフィックやパフォーマンス上の限界、コントローラー対応が十分ではないことなど。さらに同社が以前開発したFPS『Battalion 1944』が長期的なプレイヤー人口を維持できなかった過去まで自ら取り上げている。普通なら発売前には隠したくなる話ばかりだ。しかしBULKHEADは、「WARDOGSが何であり、何ではないのか」を発売前にはっきり示すことで、合わない人には無理に買わせない姿勢を取った。

BULKHEADのCEO、Joe Brammer氏も100万本突破時の声明で、盲目的な期待によって購入してほしくなかったため、数カ月かけてWARDOGSがどんなゲームなのかをそのまま見せてきたと説明している。結果的に、この少し変わった「逆宣伝」そのものが海外ゲームメディアでニュースとなり、『WARDOGS』を知らなかった層にも名前が広がっていった。

『Battlefield』ほどカジュアルではなく、ミルシムほど重くない

もう一つ考えられるのが、『WARDOGS』の立ち位置だ。大人数、車両、広い戦場、破壊表現という部分は『Battlefield』を連想させる。一方で、装備を自費で購入し、死亡すれば再び前線へ戻るまで時間がかかるなど、『Arma』や『Escape from Tarkov』に近い緊張感も持っている。BULKHEAD自身は「Call of DutyやBattlefieldのつもりで走り込めば、慎重に戦っている相手に倒されるだろう」と説明している。

ただし完全な軍事シミュレーターを目指しているわけでもない。大規模戦闘の派手さと、ミルシム系FPSの慎重さ。その中間にある遊びを求めていたプレイヤーをうまく取り込んだことも、今回の人気を理解する手掛かりになりそうだ。

33万人を集めた後、本当の勝負はこれから

発売直後のSteam同時プレイヤー数は33万7157人まで上昇した。『Counter-Strike 2』『Dota 2』に続くSteam全体トップクラスの規模だ。一方、急激なアクセス増加によってログイン待ちやサーバー接続問題も発生し、BULKHEADはすでに安定性改善のホットフィックスを配信している。

面白いのは、開発側自身が発売前から「プレイヤー数はいずれ減る」と公言していることだ。BULKHEADが長期的な目標としているのは、発売直後の30万人を永遠に維持することではない。数千人規模でも継続的に遊ぶコミュニティーを作り、早期アクセス期間にゲームを育てていくことを重視している。

新規IP、PC専用、早期アクセス。それでも100万本を超え、33万人以上が同時に戦場へ集まった『WARDOGS』。発売直後の数字だけなら、すでに大成功と言っていいスタートだ。ただしオンラインFPSでさらに難しいのは、最初に集まったプレイヤーが1カ月後、半年後にも残っているかどうかだろう。一度FPSで苦い経験をしたBULKHEADが、今度こそ長く遊ばれる戦場を作れるのか。『WARDOGS』の本当の評価は、ここから見えてきそうだ。

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