カプコンの『モンスターハンターライズ』が、世界累計販売本数2000万本を達成した。公式Xが10月6日に発表し、カムラの里の面々を描いた記念アートを公開。2021年3月26日のSwitch版発売から約5年半での大台到達となる。
今回、数字と合わせて気になるのは「最新作が出たあとも、なぜ旧作の販売が伸びるのか」という点だ。過去の到達時期とカプコンの発表を並べると、『ライズ』が発売直後の勢いだけで2000万本まで届いた作品ではないことが分かる。
1000万本からさらに倍。発売後も積み重ねた2000万本
2022年7月5日の公式発表では、『ライズ』は1000万本を達成していた。大型拡張『サンブレイク』が登場した直後の節目だ。その後、2024年5月の公式発表で1500万本到達が報告され、今回の2000万本へとつながっている。1000万本を超えたあとにも、もう1000万本を積み上げた計算になる。
直近の比較材料は、カプコンのミリオンセールスタイトル一覧にある2026年6月30日時点の1930万本。今回の大台との差は約70万本だ。ただし、10月6日は発表日であり、今回の投稿には集計締め日の記載がない。「7~9月の3カ月間で正確に70万本売れた」とまでは断定できない。
販売本数の節目を追う際は、『ライズ』本編と有料拡張『サンブレイク』も分けて見る必要がある。後者には別の販売本数が公表されており、両者を足して『ライズ』の本数にするものではない。今回の2000万本は、あくまで本編の節目だ。

新作の登場が、旧作を買うきっかけにもなる
長期販売の背景として、まず確かめられるのが対応機種の拡大だ。Switch版に続き、PC版は2022年1月13日、PS5/PS4とXbox Series X|S/Xbox One版は2023年1月20日に発売された。発売年の違う複数の機種へ届けることで、Switch版の発売時に遊ばなかった人にも購入の入口ができた。
作品自体の違いにも、開発時の意図がある。2021年の公式開発レポートで辻本良三氏は、携帯機モードのテンポや、気軽に遊べる感覚を強く意識したと説明している。翔蟲やオトモガルクによる高速移動も、その方向性と結び付いた工夫として紹介された。『ワールド』とは違う狩猟体験を目指したという発売当時の証言であり、その違いは今から旧作を選ぶ際にも参考になる。
もう一つは、新作への関心と旧作の価格施策を組み合わせる売り方だ。カプコンは2025年6月の『サンブレイク』1000万本達成発表で、『ワイルズ』発売に合わせた戦略的な価格施策が販売を後押ししたと説明している。新作が出ると旧作の役目が終わる、という一方向の関係ではない。
シリーズに興味を持った人が、価格や手持ちのハードを見て過去作を選ぶ。その受け皿として『ライズ』と『サンブレイク』を残す、という仕組みは公式の説明から読み取れる。『ワイルズ』が対応するPS5、Xbox Series X|S、PCに対し、『ライズ』にはSwitchやPS4、Xbox Oneでも遊べる選択肢がある。
ただし、これは長期販売を支える背景の説明であり、6月末からの増分すべてを特定のセールや『ワイルズ』の影響で説明できるわけではない。どの機種で何本売れたのか、今回の増分の内訳までは公表されていない。
『ワールド』との比較は、数字の範囲にも注意
2000万本は、シリーズの規模を考えても大きな到達点だ。一方、『ワールド』と比較するなら、同じ集計方法の数字を選びたい。6月30日時点の一覧では『ワールド』本編は2240万本だが、『アイスボーン マスターエディション』を含む数字として3040万本も別途掲載されている。
さらに、これらは6月末の数値で、今回の『ライズ』の発表とは時点も異なる。見出しの数字だけを並べて「追いついた」「抜いた」と判断すると、集計範囲の違いを見落としてしまう。
今回の節目で見えてくるのは、対応機種を広げ、拡張コンテンツを用意し、新作への関心と価格施策を旧作にもつなげてきた積み重ねだ。2000万本という到達点に加え、1000万本達成後も同じだけ売り増していることが、『ライズ』の長い商品寿命をよく示している。



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