『機動警察パトレイバー』の新作ゲームが発売。グッドスマイルカンパニーは2026年9月17日、PS5/PC向け3Dアクションゲーム『機動警察パトレイバー the Case Files』を発売した。本作ではイングラムをはじめとするレイバーを実際に操作し、TVアニメやNEW OVA、劇場版で描かれた名場面を追体験できる。グリフォンや零式など20体以上のレイバーが登場し、特車二課だけでなく敵対する側から戦うミッションも用意されている。
『パトレイバー』単独の家庭用ゲームとして見ると、2005年にPSPで発売された『機動警察パトレイバー かむばっく ミニパト』以来、約21年ぶりとなる新作だ。1980~90年代のロボットアニメといえば『マクロス』『ダンクーガ』『エヴァンゲリオン』などを思い浮かべる人もいるだろうが、『パトレイバー』はそれらとはかなり違う。巨大ロボットが世界を救うのではなく、「人型作業機械が普通に使われるようになった社会で、警察はどう対応するのか」を描いた作品だった。
『機動警察パトレイバー』の名場面を自分で動かして追体験

『機動警察パトレイバー the Case Files』は、原作シリーズのエピソードを題材とした3Dアクションゲーム。メインミッションでは警視庁特車二課の一員としてイングラムを操り、TVシリーズ、NEW OVA、劇場版などで描かれた事件を追体験していく。完全新作ストーリーを中心としたゲームというより、長い歴史を持つ『パトレイバー』の名場面を「自分でレイバーを操作して体験する」ことに重点を置いた作品だ。イングラムだけでなく、グリフォンや零式など20体を超えるレイバーが登場するため、映像作品では敵として見ていた機体まで実際に動かせる。
ゲームには「メインミッション」「アナザーサイドミッション」「シミュレーターモード」の3種類が用意されている。特にアナザーサイドミッションでは、特車二課と相対する側から事件を体験でき、HAL-X10やグリフォンなどを操作可能。シミュレーターモードでは射撃やレイバー同士の戦闘など、ストーリーとは別に各機体を使った訓練も楽しめる。単にアニメのシーンを眺めるのではなく、「あの機体を自分で動かしてみたい」というファンの欲求に応える内容になっている。

『パトレイバー』とは? ロボットが“重機”として存在する世界
『機動警察パトレイバー』は1988年にOVAからスタートし、TVアニメは1989年から1990年にかけて放送された。その後もOVAや劇場版などへ展開され、長く続くシリーズとなった。舞台は、人型作業機械「レイバー」が建設や土木などで広く使われるようになった近未来の日本。しかし便利な機械が普及すれば、それを使った事故や犯罪も起こる。そこで警視庁に設置されたのが、レイバー犯罪に対応する「特車二課」だ。
主人公の泉野明たちは警察用レイバー「AV-98 イングラム」に乗り、暴走したレイバーや犯罪者に対処していく。設定だけを聞くと硬派なロボットアクションに思えるが、実際には事件だけでなく、特車二課の日常や人間関係、仕事上のトラブルなども数多く描かれる。巨大ロボット作品でありながら、警察ドラマや職場コメディとしての面白さも強い作品だ。
マクロスやエヴァとは違う、“ロボットが社会にいる日常”が魅力

同時代のロボットアニメと比べると、『パトレイバー』の立ち位置はかなり独特だ。『マクロス』では宇宙戦争と可変戦闘機、『ダンクーガ』では強大な敵との戦い、『エヴァンゲリオン』では人類を脅かす存在との戦闘と登場人物の心理が大きなテーマになった。一方の『パトレイバー』では、レイバーは世界を救うための特別なスーパーロボットではない。建設会社が使う重機であり、警察が導入する特殊車両でもある。
イングラムも壊れれば整備が必要で、現場まで運搬しなければならない。予算や道路事情、警察組織の都合まで考えなければならず、「もし巨大な人型機械が本当に社会へ普及したら、どう運用されるのか」という部分まで描かれている。ロボットそのものの格好良さだけでなく、その機械を使って働く人、その周囲で暮らす人、事故や犯罪に対応する行政まで含めて世界が作られているところが、『パトレイバー』ならではの魅力だ。
今の時代に見ると、この設定はむしろ以前より身近に感じられるかもしれない。AIやロボットが社会へ入り始めている現在、新しい技術が便利さをもたらす一方で、事故や犯罪、制度や運用の問題も生まれるという構図は現実味を増している。『パトレイバー』は30年以上前から、「新しい機械が社会に入ったとき、人間の生活はどう変わるのか」を巨大ロボットという形で描いていた作品でもある。
TVアニメと同じ声優陣が出演。オリジナルスタッフも監修

昔からの『パトレイバー』ファンにとって大きいのが、キャラクターや世界観の再現にも力を入れていることだろう。ストーリーパートはTVアニメと同じ声優陣によるフルボイスとなっており、本作のために新たに収録された音声も使用されている。制作にはオリジナルシリーズに携わったスタッフも参加し、出渕裕氏がメカニック、伊藤和典氏が脚本、高田明美氏がキャラクター作画をそれぞれ監修している。
さらに音楽を手掛けてきた川井憲次氏が、本作のメインテーマ「the Case Files」を新たに書き下ろした。単に過去のアニメ映像をゲームへ置き換えるのではなく、当時のスタッフやキャストが再び関わりながら、「パトレイバーらしさ」を現在のゲームとして再現しようとしている作品といえそうだ。
パトレイバーの単独ゲームとしては約21年ぶり
『機動警察パトレイバー』はこれまでにもゲーム化されてきた。2000年には初代PlayStation向け『機動警察パトレイバー ~ゲームエディション~』、2005年にはPSP向け『機動警察パトレイバー かむばっく ミニパト』が発売されている。その後も『スーパーロボット大戦Operation Extend』や『巨影都市』など、ほかの作品とのクロスオーバーやゲスト参戦はあったものの、『パトレイバー』そのものを題材とした単独ゲームは長らく登場していなかった。
2005年の『かむばっく ミニパト』を最後の単独タイトルとすると、『the Case Files』は約21年ぶりの新作となる。しかも今回は、レイバーを直接動かす3Dアクションだ。ゲーム機の世代も大きく変わったなか、イングラムやグリフォンを現在のハードで操作できるというだけでも、昔から作品を知っている人には気になる一本ではないだろうか。
新作アニメ『パトレイバー EZY』ともつながる2026年の再始動

『the Case Files』が発売された2026年は、『パトレイバー』シリーズそのものが再び大きく動いている年でもある。完全新作アニメーション『機動警察パトレイバー EZY』が全3章構成で劇場展開されており、旧シリーズから30年以上が経過した世界を舞台に、新たな特車二課と「イングラム・プラス」の物語が描かれている。
ゲーム側も旧シリーズだけで完結するわけではなく、今後のDLCとして『EZY』に登場する「イングラム・プラス」の追加が予定されている。TVアニメや劇場版など過去の『パトレイバー』をゲームで振り返りながら、その先にある最新作にもつながっていく構成になるわけだ。約21年ぶりとなる単独ゲームと、完全新作アニメが同じ2026年に登場した『機動警察パトレイバー』。昔からシリーズを知る人には懐かしい一本だが、作品を知らない人にとっても、「ロボットが社会の中で普通に使われる世界」を描いた少し変わったロボット作品を知る入口になりそうだ。
『機動警察パトレイバー the Case Files』はPS5/PC向けに発売中。PS5ダウンロード通常版は4,400円(税込)、パッケージ通常版は6,380円(税込)、デジタルデラックスエディションは5,500円(税込)となっている。



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