スクウェア・エニックスのRPG『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS(FF7 エバークライシス)』が、2026年10月7日15時をもってサービスを終了した。iOS/Android版は2023年9月7日に始まっており、約3年1か月で幕を閉じたことになる。Steam版は同年12月7日からサービスを展開していた。
7月8日の終了発表だけを見ると、ひとつのスマートフォン/PC向けライブサービスが終わったニュースに見える。ただし本作は『FFVII』本編を遊び直せるだけの作品ではなく、少年期のセフィロスを描く新規ストーリーや、これまで触れにくかったコンピレーション作品をまとめて扱う「リメイクのもう一つの可能性」として始まった。終了までの約3か月にも物語の更新を続けており、何を残して終わったのかまで見ると、本作の位置づけは少し違って見えてくる。
終了決定後も物語を完結へ進めた
『FF7 エバークライシス』はサービス開始時から、原作『FINAL FANTASY VII』と『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』に加え、セフィロスに関する完全新作のオリジナルストーリーを章立てで展開してきた。さらに終了発表時のプロデューサーレターでは、「コンピレーションを含めた『FFVII』すべての物語が楽しめること」という当初の掲げ方に沿い、それまで未配信だった『BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII-』編を7月から8月にかけて全3章で届ける方針を示している。

『BEFORE CRISIS』編は8月27日にCHAPTER3「タークス包囲網」まで進み、9月7日には『FINAL FANTASY VII』編の最終チャプターとなるCHAPTER13「星の終焉」が公開された。公式の最終チャプター映像も用意されており、少なくとも中心となる物語を途中で止めたまま終了日を迎えるのではなく、最後の更新期間をストーリーの区切りに使ったことが分かる。
グレンたちはリメイクシリーズへつながった
本作ならではの意味を考えるうえで見逃せないのが、若きセフィロスを描くオリジナルストーリーだ。プロデューサーの市川翔一氏は終了発表時のレターで、少年セフィロスの物語に登場したグレンたち3人について、本作の枠を越えて「FINAL FANTASY VII リメイクシリーズ」にも関わる重要なキャラクターになったと振り返っている。

つまり『エバークライシス』は、原作や派生作品をスマートフォンで追体験するだけのタイトルではなかった。サービス自体は終了しても、ここで追加された人物や物語の一部は、現在進行中の『FFVII』リメイクシリーズと切り離せない存在になっている。3年余りで終わったライブサービスという結果だけでなく、シリーズ全体へ設定やキャラクターを送り出したことは、本作が残したものとして覚えておきたい部分だ。
終了理由は制作工数と需要の両立
サービス終了の公式告知では、「今後お客様にご満足いただけるサービスの提供が困難」と説明されていた。一方、プロデューサーレターではもう一段具体的に、運営を続ける中で「制作工数」と、各キャラクターに用意する武器・ウェアの「需要バランス」を両立することが難しくなったことが明かされている。

武器やウェアはキャラクターが実際に身につけるため、グラフィック品質を保ちながら多くのキャラクターへ継続的に供給する必要がある。加えて、性能調整では特定の編成へ偏らないよう改善を続けたものの、理想的なバランスを見つける難しさもあったという。「売れなかったから終了した」と単純化できる根拠はなく、公式が説明しているのは、品質を維持したコンテンツ制作と運営バランスを今後も続けることへの難しさだ。
なお、未使用の有償「レッドクリスタル」については、サービス終了後に法令に基づく払い戻しが行われる。公式はデータ確認が必要になる場合があるとして、払い戻し手続きが完了するまではアプリの削除や、機種変更に伴う再インストールを控えるよう案内している。サービスは終了したが、有償残高があるユーザーは今後の公式案内までアプリを残しておいた方がよさそうだ。



コメント