『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』が発売されたのは2017年。もう9年近く前のゲームになる。
私も当時、ニンテンドー3DS版を遊んだ記憶がある。ただ、不思議なくらいストーリーを覚えていない。キャラクターを見れば「ああ、いたな」と思う程度で、物語の細かな展開になるとかなり曖昧だ。そんなタイミングで、2026年9月24日にNintendo Switch 2版『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』が発売される。では、昔『DQ11』を遊んだ人が、今からSwitch 2でもう一度最初から遊ぶのはありなのだろうか。
3DS版からSwitch 2版なら、かなり違う『DQ11』を楽しめる
まず、2017年の3DS版からSwitch 2版へ移る場合。この2本は同じ『ドラゴンクエストXI』ではあるものの、ゲームを遊んだときの印象はかなり変わるはずだ。


3DS版『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』は、デフォルメされた3Dグラフィックとドット絵の2Dモードを切り替えられるのが特徴だった。一方、Switch 2版のベースになっている『XI S』では据置機向けの3Dグラフィックでロトゼタシアが描かれ、3DS版にはなかったキャラクターボイスや仲間たちの追加ストーリー、オーケストラ音源なども収録されている。さらに、フィールドでのダッシュやバトルスピードの変更など、長編RPGを遊ぶうえで地味に効いてくる改良も多い。Switch 2版では、これに加えて1080p/60fpsの「パフォーマンス優先」と1440p/30fpsの「画質優先」から描画モードを選べる。
3DS版しか遊んでいないのであれば、「昔と同じゲームをもう一度」というより、かなり豪華になった『DQ11』を改めて遊ぶ感覚に近いと思う。
再プレイの楽しみは「ボイス」と「仲間の追加ストーリー」
3DS版から変わった部分はいくつもあるが、個人的に「もう一度最初から遊ぶ理由」として大きいと思うのは、キャラクターボイスと追加ストーリーだ。
3DS版ではキャラクターにボイスがなかったが、『XI S』では3Dモードの会話や戦闘中のセリフにボイスが追加されている。映像がきれいになること以上に、声が付くことでキャラクターやイベントの印象が変わる可能性は大きい。ストーリーをほとんど忘れている状態なら、昔とはかなり違った感覚で物語を追えるかもしれない。
さらに『XI S』では、本編でパーティが離ればなれになった期間に何が起きていたのかを描く、仲間たちの新ストーリーも追加されている。それぞれのキャラクターを実際に操作して進める内容なので、3DS版しか遊んでいない人にとっては完全に未体験の部分になる。
もちろん本編そのものが別の物語になるわけではない。それでも、昔一度遊んだゲームをもう一度プレイする動機として「知らないストーリーがある」というのはかなり大きい。
グラフィックだけでなく、長編RPGとして遊びやすく

Switch 2版を見れば、3DS版からのグラフィック差が最初に目につく。ただ、実際に何十時間も遊ぶことを考えると、それ以上に気になるのがテンポの改善だ。
『XI S』ではフィールドでダッシュできるようになり、戦闘速度も「ふつう」「はやい」「超はやい」の3段階から選べる。レベル上げや何度も繰り返す通常戦闘を速く進められるため、昔一度遊んだ人が再プレイするにはありがたい機能だと思う。BGMもオーケストラ音源に対応しており、従来のシンセサイザー音源との切り替えが可能。グラフィック、ボイス、音楽、ゲームテンポまで含めて考えると、3DS版からはかなり多くの部分に手が入っている。
9年前のRPGを最初からやり直すとなると、どうしても「また長い冒険を最初からやるのか」という気持ちは出てくる。そのハードルを少し下げてくれるのが、『XI S』で追加されたこうした遊びやすさなのだと思う。
Switch版『XI S』を遊んだ人は、話がかなり変わる
一方、2019年のNintendo Switch版『XI S』をすでに遊んでいる人の場合はどうだろう。
こちらは正直、Switch 2版を買い直す理由はかなり少ないと思う。Switch 2版とSwitch版でゲーム内容そのものに違いはなく、Switch 2版だけの新しいストーリーやキャラクター、ダンジョンなどは用意されていない。大きな違いは、1080p/60fpsのパフォーマンス優先モードと1440p/30fpsの画質優先モードを選べるようになったことだ。もちろん60fpsで『DQ11』を遊べることに魅力を感じる人はいるだろう。ただ、それだけのためにもう一度ソフトを購入するかと聞かれると、個人的には少し悩む。
さらにSwitch版のセーブデータをSwitch 2版へそのまま引き継ぐこともできない。途中から続きを遊ぶためのアップグレード版というわけでもなく、Switch版をすでに遊んだ人がSwitch 2版へ移る場合は、基本的にもう一度最初から始めることになる。
ストーリーを忘れているなら、むしろ今は再プレイしやすい

私の場合、3DS版を遊んだ記憶はあるのに、ストーリーをほとんど覚えていない。
最初は「せっかく遊んだのに全然覚えていないな」と思ったのだが、今回に限ってはむしろ都合がいい気もしている。細かな展開まで覚えている長編RPGをもう一度最初から遊ぶより、「そういえばこんな話だったな」と記憶を拾いながら進める方が楽しめそうだからだ。
しかも3DS版からなら、映像だけでなくボイスや音楽、追加ストーリー、ゲームテンポまで変わっている。9年という時間も考えれば、新作ほどではないにしても、ある程度新鮮な気持ちで遊べるのではないだろうか。逆に、Switch版『XI S』を比較的最近まで遊んでいて、ストーリーもよく覚えているのであれば、今回のSwitch 2版を理由にすぐやり直す必要はないと思う。もっと時間が経って、もう一度ロトゼタシアを旅したくなったときでも遅くない。
3DS版のみなら「あり」、Switch版経験者は急がなくても…
Switch 2版『ドラゴンクエストXI S』を再プレイ目的で考えるなら、以前どのバージョンを遊んだのかがかなり重要だ。
3DS版しか遊んでいない人なら、ボイスや仲間の追加ストーリー、オーケストラ音源、遊びやすさの改善など、当時とは違う要素がかなり多い。さらに9年近く経ってストーリーの記憶も薄れているのであれば、Switch 2版でもう一度冒険するのは十分ありだと思う。一方、Switch版『XI S』まで遊んでいる人の場合、Switch 2版で増えるのは基本的に描画面の選択肢だ。60fpsや高解像度に強く魅力を感じるなら別だが、ゲーム内容を目的に買い直す必要性は薄い。
同じ『DQ11』の再プレイでも、3DSから戻ってくる人とSwitchから戻ってくる人では、その価値はかなり違う。私自身は3DS版以来なので、こうして違いを調べてみると、9年ぶりにもう一度ロトゼタシアを旅してみるのも悪くない気がしてきた。



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