『鬼武者 Way of the Sword』は死にゲー?「活劇」「剣戟」の違いと難易度を解説

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敵の刀を弾き、攻撃を紙一重で受け流し、その隙に一閃を叩き込む。『鬼武者 Way of the Sword』の戦闘映像を見ていると、近年増えた高難度の剣戟アクションを思い浮かべる人もいるだろう。とくに『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や『仁王』のような作品を遊んだことがある人なら、「今回の鬼武者もかなり難しいのでは?」と身構えてしまうかもしれない。

ところが、開発チームが目指した方向は少し違う。『Way of the Sword』は、何度も倒されながら攻略法を探すこと自体を前提とした“死にゲー”として設計された作品ではない。開発段階から「死にゲーにはしない」という方針が示されており、アクションに慣れていない人が物語を楽しめる難易度も用意されている。

もちろん、だからといって敵を適当に斬っていれば最後まで進めるゲームでもない。ガード、回避、受け流し、一閃といったアクションを使いながら強敵と渡り合う、鬼武者らしい緊張感はしっかり残されている。では、『Way of the Sword』は実際どのくらいの難易度を想定して作られているのか。「活劇」と「剣戟」という2つの難易度の違いも含めて見ていこう。
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開発チームが目指したのは「死にゲー」ではない

『Way of the Sword』の難易度については、発売前から開発陣がかなり明確に方向性を語っている。

ディレクターの二瓶賢氏はインタビューで、チームとして「死にゲーにはしない」という目標を掲げていたことを明かしている。高難度アクションを好む一部のプレイヤーだけではなく、アクションゲーム自体は好きでも難しすぎる作品には手を出しにくい人まで楽しめるゲームにしたかったという。とはいえ、戦闘そのものを単純化したわけではない。

敵の攻撃を受け止めるガードだけでなく、攻撃を弾く「弾き」、タイミングよく攻撃をかわす「受け流し」、そしてシリーズを象徴する「一閃」など、戦況に応じて使えるアクションはむしろ多い。うまく使いこなせば戦闘は格段に有利になるが、すべてを完璧に成功させなければ先へ進めない作りにはしていない。「操作を極めた人だけが楽しめるゲーム」ではなく、腕前に応じて戦い方を選べる。その設計思想が、今回の難易度システムにも表れている。

難易度「活劇」と「剣戟」は何が違う?

ゲーム開始時に選べるのが「活劇」と「剣戟」だ。

一般的な「EASY」「NORMAL」という名称ではないため、最初はどちらを選べばいいのか少し分かりにくい。ただ、方向性はかなりはっきりしている。

「活劇」は物語を楽しみながら操作を覚えたい人向け

「活劇」では、敵から受けるダメージが抑えられるほか、一閃の受付時間にも余裕が持たされている。「活劇」ではボタンガイドが標準で表示され、敵の攻撃に対してどの操作を使えばいいのか判断しやすくなっている。ただし、このガイドは「剣戟」でも設定から「アクション補助機能」をオンにすれば利用できる。つまり、操作ガイドそのものは「活劇」だけの機能ではない。

難易度を下げることで戦闘の魅力そのものが消えてしまうわけでもない。一閃や受け流しはそのまま使えるので、まずは「活劇」で操作を覚えながら『Way of the Sword』らしい剣戟に慣れていくこともできる。

「剣戟」では戦闘そのものの面白さが前に出てくる

敵との駆け引きをしっかり楽しみたいなら「剣戟」が候補になる。こちらでは敵から受けるダメージが増え、一閃も「活劇」のようには簡単に成立しない。攻撃パターンを見ながら、ガードで受けるのか、回避するのか、受け流しを狙うのか、その場で判断する機会が増えてくる。

適当に攻撃ボタンを押しているだけでは押し切りにくくなるぶん、うまく敵の攻撃をいなして反撃できたときの気持ちよさも大きい。普段からアクションゲームを遊んでいる人や、強敵の動きを覚えながら攻略する過程が好きなら、最初から「剣戟」を選んでもよさそうだ。

難易度を上げると敵の「強さ」はどう変わる?

ゲームの難易度について個人的に気になるのが、敵のHPや攻撃力だけを増やして「難しくしました」とする調整だ。受けるダメージが増え、敵を倒すまでの時間が長くなっただけなら、難しくなったというより、こちらが不利になっただけではないかと思ってしまう。

『鬼武者 Way of the Sword』の「活劇」と「剣戟」はどうなのか。確認できる範囲では、難易度を変えても敵の行動パターンや攻撃モーションそのものは変化しない。フィールドの敵やボスの耐久力、こちらが受けるダメージ量が変わるため、数値面で厳しくなる部分は確かにある。

ただ、それだけではない。「活劇」ではシリーズを象徴する一閃が成功しやすく調整されているため、「剣戟」を選ぶと一閃を狙う際にはより正確なタイミングが必要になる。「活劇」ではボタンガイドが標準で有効になっているが、この補助機能は「剣戟」でも設定からオンにできる。そのため、ガイドの有無そのものは難易度を分ける決定的な違いではない。一方で、攻略メディアによる検証では、「活劇」にすると操作ガイドは表示されるものの、受け流しなどの入力受付時間そのものまで一律に長くなるわけではないとされている。

つまり「剣戟」は、敵が新しい技を使ったりAIが賢くなったりすることで難しくなるタイプではない。ミスしたときの代償が大きく、戦闘も長引きやすい。そのうえ一閃など一部のアクションでは、プレイヤー自身により正確な操作が求められるという方向の難易度調整だ。

ここは好みが分かれそうだ。敵の動きそのものが高度になる難易度設計を期待しているなら、「剣戟」は少し違う。一方、同じ敵を相手に、よりミスを減らし、一閃や受け流しを使いこなして効率よく倒せるようになることに面白さを感じるなら、技術を磨く余地は十分にある。

一閃が苦手でも戦い方はひとつではない

『鬼武者』と聞いて、一閃を成功させなければまともに戦えないゲームだと思っている人もいるかもしれない。確かに一閃は今回も強力だ。敵の攻撃に合わせて成功させれば大きなダメージを与えられ、鬼武者らしい爽快感も味わえる。ただ、『Way of the Sword』では一閃だけが正解ではない。

敵を攻撃したり、受け流しや弾きを成功させたりすると「力動ゲージ」を削ることができる。ゲージを削り切って相手の体勢を崩せば、「崩し一閃」へつなげることも可能だ。つまり、反射神経だけで一閃を狙うのが苦手でも、普通に攻防を重ねながら強力な攻撃へ持ち込める。

ガードもかなり重要で、敵の攻撃を無理にすべて受け流そうとせず、まず刀で受け止めながら動きを観察する戦い方ができる。開発陣も、難しいと感じた場合は無理に高度な操作を狙わず、ガードを活用することを勧めている。戦い方をひとつに固定しなかったことが、今回の間口の広さにつながっている。

ボスに何度か負けるくらいの歯ごたえは残されている

ここまで読むと、「それならかなり簡単なのでは?」と思うかもしれないが、そこまで甘い調整でもない。

開発側は、難易度を下げたからといって、すべてのボスを初見で倒せるゲームにしたいわけではないとも話している。ボス戦では、相手の大技をどう避けるか、どのタイミングなら攻撃できるかを見極める必要がある。最初はうまく戦えなくても、何度か挑戦するうちに攻撃パターンが分かり、少しずつ対応できるようになる。その過程は一般的なアクションゲームと同じだ。ただし、「何十回も倒されながら少しずつ突破口を探すこと」そのものをゲームの中心にはしていない。死ぬことに慣れるゲームではなく、戦いながら自然に上達していくゲーム。そのくらいの捉え方が近そうだ。

『SEKIRO』や『仁王』とは難しさの作り方が違う

刀を持った主人公、タイミング重視の防御、敵の体勢を崩して大技を叩き込む戦闘。こうした要素から『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や『仁王』を連想するのは自然だろう。

ただ、『Way of the Sword』で大きく異なるのは、ゲーム側がプレイヤーに求める最低ラインを難易度によって変えていることだ。「活劇」では操作ガイドが入り、一閃も成功させやすくなる。一方、「剣戟」を選べばミスの許容度が下がり、より正確な操作が必要になる。

高難度そのものを作品の柱にするのではなく、同じ戦闘システムをどこまで厳しく楽しむかをプレイヤー側で選べる。見た目は近年の高難度剣戟アクションに似ていても、難易度に対する考え方はかなり違う。

難易度選びで迷ったらどうする?

「活劇」と「剣戟」のどちらが正解ということはない。

物語を中心に楽しみたい、アクションにはあまり自信がない、一閃や受け流しをこれから覚えたいという人なら「活劇」から始めればいい。反対に、普段からアクションゲームを遊んでいて、敵との駆け引きやボス攻略に手応えを求めたいなら「剣戟」の方が合うだろう。

ゲーム中は「破魔鏡」から難易度を変更できるため、最初の選択をそれほど重く考える必要もない。まず「活劇」で始めてみて、戦闘に慣れて物足りなくなったら「剣戟」へ変えることもできる。

『鬼武者 Way of the Sword』は、アクションが得意な人だけに向けたゲームではない。一閃や受け流しを使いこなせば戦闘はさらに面白くなるが、最初からそこまでの技術を要求されるわけでもない。「最近の剣戟アクションは死にゲーばかりでちょっと……」と感じていた人でも、「活劇」から始めるなら必要以上に身構えなくてよさそうだ。逆に歯ごたえを求めるなら「剣戟」を選ぶ。難易度を途中で変えられることも含め、まず自分に合うところから始めればいい。