17年ぶりの新作『ドラゴンボール Sparking! ZERO』登場!
2024年10月に発売した『ドラゴンボール Sparking! ZERO』(ZERO)。ドラゴンボール Sparking!シリーズは、2007年10月にPlayStation 2向けに発売した『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』(METEO)から17年ぶりの新作となる。内容を明確に覚えているわけではないが、私も当時プレイしていた記憶がある。今回はそんな期待の新作をレビューする。
182体のキャラクターが参戦! しかし、消えたキャラクターも…
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PlayStation 2で十分に楽しませてもらったシリーズであることから、期待の『ドラゴンボール Sparking! ZERO』は予約して発売日に入手。発売前から非常に多くのキャラクターが登場することが予告され、その数は182体(発売当時)。これは前作の161体を大きく上回り、プレイできるキャラクターが多いのが同シリーズの醍醐味だ。
METEOはドラゴンボールZ及びドラゴンボールGTのキャラクターがメインで収録されていた。今作のZEROでは、さらにドラゴンボール超の登場キャラクターが追加されている。ただし、アラレちゃんやブルー将軍、桃白白、界王神、キビト、パイクーハンなど、なかには消えてしまったキャラクターもちらほら見受けられる。
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キャラクターはコスチュームを選択できたり、ステータスをカスタムすることができる。コスチュームやスキルアップ・ステータスアップはショップ内で購入することが可能。ちなみにカスタムは天下一武道会やランクマッチ、対戦モードなど設定がONの場合だけ有効になり、ストーリーモードでは反映されない。
キャラクターのラインナップの次に、グラフィックの綺麗さやアニメーションの凝り具合がかなり向上している。17年の時を経て登場したのだからグラフィックの向上は当然ではあるが、アニメーションの部分では、アニメや漫画で観たシーンが上手に取り上げられており、必殺技の使用時や大戦前の掛け合いなどは迫力とともにどこか懐かしさを感じる。とくに、登場キャラクターが182体もいると掛け合いの数も豊富で見ごたえがある。
主要ゲームモードをチェック! ストーリーのボリュームは十分?
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一方、主要なゲームモードは1人プレイのストーリーモード、オンライン対戦モード、カスタムバトル、練習モードの4つ。ストーリーモードは悟空、ベジータ、悟飯、ピッコロ、未来トランクス、フリーザ、ゴクウブラック、ジレンの8つのストーリーに分かれている。カスタムバトルは、本編ストーリーには無いお遊びストーリーをプレイしたり作れるモードであり、例えば“ザーボンとドドリアがフリーザー軍に入隊するために入門テストをします”であったり、“修行の成果を試してみたいというヤムチャが複数の栽培マンを倒す”といった“もしも”のエピソードが遊べるというものだ。基本的にはストーリーモードを遊んだ後、オンライン対戦やカスタムバトルで遊ぶという流れだ。
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まず、ストーリーモードは一通りクリアしてみたが、ややボリューム不足を感じる。条件をクリアすると出現する隠しルートなどもあるが、もう少しやり込み要素がほしいところ。また、8人分のストーリーが用意されているが、基本的に同じストーリーのなかで役どころが変わっているだけなので、同じストーリーを何度も繰り返している感もある。だいたい、182体のが登場するにもかかわらず、ストーリーモードでプレイできるキャラクターはわずかだ。主役級のキャラクター以外は「カスタムバトルやオンライン対戦で使ってみてね」というスタンスなのか?なので、ZEROはどちらかというとオンライン対戦がしたい!というユーザーに向けた内容になっている。
なお、オンライン対戦の低ランク帯においては、色々なキャラクターを使ってみたいプレイヤーが多いので主役級のキャラクターから脇役まで楽しめるが、中~高ランク帯になってくるとベジットやゴジータといった高コストで定番のキャラクターを使うプレイヤーしかおらず、182体のラインナップが非常にもったいないシステムとなっているのは残念だ。
難易度高めの戦闘システム!これはアクションか格ゲーか?
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次に一番重要な戦闘のシステムに触れたい。基本的に攻撃、気弾攻撃、ガード、気を溜めて必殺技というMETEOから大きくは変わっていない。変わった部分は切り返しの操作で、敵の攻撃に合わせてガードすることで切り返すことができる。このタイミングが非常にシビアで、切り返せないと一方的にタコ殴りにされてしまう。これもあって発売当時は「難しすぎる」、「ストーリーモードですら一方的にやられ続ける」という声があがっていた。私的には簡単すぎてもゲームの面白味はなく、しっかりテクニックを身に付ければ強くなれるのだからテクニックを磨くことを楽しめれば良いのではないだろうか?と思うのだが、“テクニックを楽しんで磨く”というのが重要で、このゲームには楽しみながら磨ける要素が少ないのだ。悟空のストーリーモードは序盤からベジータ(大猿)と戦いが始まり、「これどうやって倒すの?」というレベル…。子供も遊ぶタイトルであることからこの辺りはもう少し工夫してほしい。
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戦いは切り返しの駆け引き、隙を作りつつ気力をうまく溜めれるか。というのが重要だ。必殺技のアニメーションやSparking!モードになると音楽変わる点、速い展開は臨場感があり、見ているだけでも楽しめる。しかし、ある程度慣れてくると戦いが単調に思えてきてしまう。というのも打撃、ガード、切り返し、必殺技など格闘/アクションゲームとして要素はほかのゲームと変わらない。しかし、他の格闘ゲームでは各キャラクターによってムーブメントが違うし、キャラクターごとにコンボがあったり、このキャラクターが使いやすいといったプレイヤーとの相性もある。その一方でZEROは各キャラクターのムーブメントはほぼ一緒だ。必殺技はかめはめ波をはじめとする気弾系は射程距離の違いなどはあるにしても、大きく分けて気弾系のほかに突進して敵に当たれば成功→アニメーションといった2通りしかない。なのでどのキャラクターが強いのかというのはほぼステータス(攻撃力が高い、HP高い)や気力の消費量が少ないなどで決まってしまう。ランクマッチや大会では、ハメ技や逃げて時間稼ぎというフェアではないプレイで人造人間やヤジロベーが使われていたが、基本的には前述した通り、ベジットやゴジータが強いという結果に落ち着いてしまう。
今後のアップデートとDLCに期待!
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結論としては楽しみどころがどこなのか分かりづらく、少し期待外れ感が否めない。アップデートによって明らかに悪質なプレイなどに対する対応はされているものの、細かい部分のこまめな対応にも期待したいところ。アニソンのBGMパックは追加コンテンツとして提供されており、早速DLC第一弾も登場した。充実して遊ぶには今後も課金が欠かせなくなりそうだ。なお、2月4日には世界累計販売本数500万本を突破したことが発表された。評価も両極端であり、METEOを知るプレイヤーからするといまいちな点が目立つ。一方、新規参入のプレイヤーからは評判が良いように見受けられた。
▼【ドラゴンボール Sparking! ZERO】世界最速500万本突破!シリーズ最新作が記録的大ヒット