2024年11月に発売されたHD-2Dリメイク版『ドラゴンクエストⅢ』が、ついに待望の大型アップデートを迎えた。今回のアップデートでは、移動速度の向上や職業バランスの再調整、さらには快適性を高める新機能の追加など、プレイヤーのゲーム体験を一段と進化させる内容が盛り込まれている。本記事では、今回のアップデートの全貌を分かりやすく整理し、その注目ポイントを徹底的に紹介していく。
移動が快適に!船とラーミアの速度が大幅向上

本アップデートにおける最も体感しやすい改善点が、移動速度の向上である。船およびラーミアの移動速度が明確に引き上げられ、広大なマップを駆け回る探索のテンポが格段に快適になった。特に、船移動中にメニューを開いたり戦闘が発生した際に速度がリセットされない仕様は、細かなストレスの軽減に繋がっている。
さらに、ラーミアでの飛行中には、メニューボタンで自動飛行と手動飛行の切り替えが可能となった。これにより、目的地へのスムーズな移動と自由な探索の両立が実現されている。
職業バランスを再構築!戦闘の戦略性が深化
今回のアップデートでは、各職業の特技や装備の見直しも図られた。特に勇者と武闘家は会心率が上昇し、アタッカーとしての性能がさらに際立つようになった。勇者の「はやぶさ斬り」と「ギガスラッシュ」は威力が強化され、強敵との戦闘での切り札として機能しやすくなっている。
戦士の「渾身斬り」も火力が強化され、従来よりも一撃必殺の重みが増した。また、僧侶は「やまびこのぼうし」が装備可能になり、呪文連発の戦術にも幅が出てきた点が見逃せない。
まもの使いに関しては、強力すぎた「まものよび」に調整が入り、攻撃回数がランダム化されバランスが是正された。一方で、「ビーストモード」の消費MPは30に変更され、リスクとリターンのバランスが明確になっている。
バトルシステムに細かな調整!メタル系の狩りも効率アップ
バトル全体の調整も見逃せないポイントである。まず、特定のモンスターが1ターン内にとる行動回数に制限が設けられ、理不尽な連続攻撃の頻度が抑えられた。また、残り1体の敵が「大ぼうぎょ」に入る仕様が廃止され、戦闘のテンポが向上した点も好感触だ。
「いばらの道だぜ」という高難度モードでは、ボスの状態異常耐性が上昇しており、プレイヤーの戦術が一層問われる設計に変化している。加えて、同じ状態異常に連続でかかりにくくなる仕様も導入され、戦略性が高まった。
また、メタルキメラやメタルハンドを倒した際の経験値が増加し、効率的なレベル上げが可能に。さらに、すべての通常モンスターの守備力が若干引き下げられており、通常戦闘におけるテンポが良くなったことも評価に値する。
「べんりボタン」など新機能追加で操作性も進化
操作面の向上にも注目したい。今回新たに実装された「べんりボタン」機能では、呪文や特技を特定のボタンに割り当てることができ、バトル中のコマンド入力がよりスムーズに行えるようになった。
また、「メダルの館」が一度訪れるとルーラの登録地点になるよう調整されたため、収集系コンテンツのアクセス性も向上している。これまで手間に感じられていた要素が、しっかりと遊びやすく設計され直されているのは、細やかなユーザー視点の表れである。
試練の神殿に新要素追加&不具合修正も多数
「試練の神殿」では新たな宝箱が登場し、シリーズファンにはおなじみの強力な武器「グリンガムのムチ」が入手可能となった。さらに、番人に渡す「エルフののみぐすり」の必要数も10個に変更され、周回時の負担軽減につながっている。
また、特定アイテム使用後のステータス上昇に関する不具合や、トロフィー・実績の取得に関する問題も修正され、より安心してプレイを続けることができるようになった。
遊びやすさと戦略性を両立した神アプデ

今回の大型アップデートは、HD-2D版『ドラゴンクエストⅢ』に新たな息吹を与える内容となっている。職業バランスの見直し、戦闘テンポの改善、新機能の追加といった、ユーザーのフィードバックを受けた形での調整が随所に見られる点は、開発陣の本作への強い愛情と継続的な改善意欲を感じさせる。
すでにクリアしたプレイヤーも、これを機に再び旅立ちたくなるほどの変化が詰め込まれている。今こそ、『ドラゴンクエストⅢ』という名作を、最新のHD-2D表現と快適なシステムのもとで再体験すべき時である。