2025年5月15日、Nintendo Switchにおいて、歴史的戦闘「コブラ作戦」を題材にした本格戦場FPS『ワールド アット ウォー コブラ』が配信開始となった。本作は、リアルな戦場描写と圧倒的なグラフィック、戦略性の高いゲームプレイが融合した、Switch独占タイトルである。歴史を変えた戦車戦、そして戦場の緊迫感を自らの手で体感したいプレイヤーにとって、見逃せない一本だ。
歴史を変えた「コブラ作戦」を追体験する本格FPS
『ワールド アット ウォー コブラ』の舞台は、1944年夏のフランス。ノルマンディー上陸作戦から7週間後、連合軍がドイツ軍の防衛線を突き崩すために実施した「コブラ作戦」を再現している。プレイヤーはアメリカ軍の兵士として戦場に身を投じ、シャーマンM4A2戦車と共に前線を突破していく。
史実をベースにしながらも、ゲームならではの臨場感とインタラクティブな演出が加えられており、ただの戦争再現シミュレーターにとどまらない。ゲームプレイを通して、コブラ作戦がいかにしてフランス解放への転換点となったのか、その重みを実感できる構成になっている。
Switch最高峰の戦場描写―フォトリアルグラフィックと3Dサウンド


本作最大の特徴は、Nintendo Switchタイトルとしては異例の高精細グラフィックである。ティーガーIIの重厚な装甲や、戦車の砲撃で吹き飛ぶ瓦礫、煙が立ち込める戦場などが、驚異的な描写力で再現されている。爆撃によって瓦解する建物や、焦げつく戦車の残骸に身を隠しながらの戦闘は、単なる視覚効果を超えてプレイヤーの感情を揺さぶる。
加えて、3Dサウンド技術と物理エンジンの導入により、銃声の反響や地雷の爆発音、砲弾の着弾音までがリアルに響き渡る。視覚と聴覚の両面から没入感を高め、まるで戦場に自らが立っているかのような感覚を味わえるのだ。
アサルト、スナイパー、サポーター―3つの兵科で戦略を描け

ゲームにはアサルト(突撃兵)、スナイパー(狙撃兵)、サポーター(支援兵)の3つの兵科が用意されており、それぞれ異なる特性と武装を持つ。前線で敵を制圧するアサルト、遠距離から的確に敵を仕留めるスナイパー、味方を補給・回復で支えるサポーター。これらを組み合わせることで、ソロプレイながらも戦術的なアプローチが可能となる。

特に、精密な照準システムと傾斜照準(距離や角度によって弾道が変化)によって、実際の銃器操作に近い手応えを楽しめるのもポイントだ。弾道の予測、リロードのタイミング、障害物の利用など、プレイヤーの判断と技術が勝敗を左右する。
ティーガーII vs シャーマンM4A2―戦車戦の醍醐味を堪能せよ
コブラ作戦において特に注目すべきは、シャーマンM4A2とティーガーIIによる戦車戦である。アメリカ軍の機動力と数で押すシャーマンに対し、ドイツ軍のティーガーは高火力と重装甲で対抗。ゲームでは、この両軍の戦車が激突するシーンが随所に盛り込まれており、プレイヤーは歩兵として、あるいは戦車の支援役としてその中に飛び込んでいく。
瓦礫の中で展開される市街戦、遮蔽物を駆使しての砲撃戦、そして進撃と後退のタイミングを見極める戦術的判断など、戦車戦ならではの緊張感が詰まっている。戦場の要となる兵器の重みと、それに翻弄される兵士たちのドラマが、プレイヤー自身のプレイを通して語られる。
歴史とゲームが融合した戦場体験―Switch独占の価値

『ワールド アット ウォー コブラ』は、単なるFPSではない。歴史的背景、緻密な戦術要素、リアルな戦場描写の三要素が融合し、Nintendo Switchというプラットフォームで独占展開される意義深い作品である。1,990円という価格設定も非常に魅力的であり、ミリタリーファンのみならず、戦略的FPSを求めるゲーマーにも訴求する内容となっている。
戦場のリアリティとゲームの楽しさを両立させた本作は、Switchのラインナップの中でも異彩を放つ存在だ。シングルプレイに特化しているため、自分のペースでじっくりと戦場を味わいたいプレイヤーにも最適である。