“バットマンシリーズ”の新作に新たな動きが!
『バットマン:アーカム・ナイト』、『アーカム・シティ』、『アーカム・アサイラム』といったバットマンシリーズの名作の開発を手掛けるRocksteady Studiosが、バットマンの1人用ゲームの開発に取り組んでいるとの報道が浮上している。
近年、Rocksteady Studiosが開発したタイトルが大ゴケしたこともあり、バットマンシリーズにおいては開発状況が不安視されていた。最後にRocksteady Studiosが手掛けたバットマンシリーズは、2016年発売の『バットマン:アーカムVR』となる。直近のバットマンを題材にしたゲームといえば、2022年に発売した『ゴッサムナイツ』が記憶に新しいが、これはWB Games Montréal Inc.(ワーナーブラザースゲームズモントリオール)が手掛けたタイトルであり、2013年発売の『バットマン:アーカム・ビギンズ』も同社が手掛けている。
そんな中、ブルームバーグの記者ジェイソン・シュライアー氏によると再びRocksteady Studiosによるバットマンシリーズの開発の可能性が高まっている。ただし、公式発表はなく、実際の発売はまだ数年先になると見られている。
『スーサイド・スクワッド』の失敗と方向転換

Rocksteadyは過去7年間、『スーサイド・スクワッド:キル・ザ・ジャスティス・リーグ』の開発に注力していたが、結果的に大失敗に終わった。このゲームはライブサービス型のルーターシューターとして設計されていたが、開発の遅れや方向性の迷走、ストーリーに対する批判が影響し、最終的には期待を裏切る形となった。その結果、親会社のWB Gamesは約2億ドル(約300億円)の損失を計上することとなった。
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この失敗を受け、WB Gamesは経営方針の見直しを余儀なくされた。実際に、ライブサービスを推進していた同社の責任者デビッド・ハッダッド氏は退任し、今後の開発方針に大きな変化があることが予想されている。
Warner Bros. Gamesの苦境と再編
WB Games全体も厳しい状況にある。『スーサイド・スクワッド』の失敗に加え、無料オンライン対戦型の『MultiVersus』も期待されたほどの成功を収められず、最終的にオンラインサービスを5月末で終了することが決定。さらに、同社は『ハリー・ポッター:クィディッチ・チャンピオンズ』をリリースしたものの、大きな話題にはならなかった。
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一方、同じくハリー・ポッターを題材とした1人用ゲームで成功した『ホグワーツ・レガシー』は、発売以来3,000万本以上を売り上げ、続編の開発がすでに進行中であることが明らかになっている。WB Gamesの経営陣は、今後の戦略として「ホグワーツ・レガシー」、「Mortal Kombat」、「ゲーム・オブ・スローンズ」、そしてDC(特にバットマン)の4つの主要タイトルに注力する方針を示している。
Rocksteadyの未来とバットマン新作の可能性
Rocksteady Studiosは、アーカムシリーズで培ったノウハウを活かし、新たなバットマンゲームを開発する可能性が高い。過去作と同じアーカムユニバースを舞台にするのか、新たな世界観を構築するのかは不明だが、ファンにとっては期待が高まるニュースである。
一方で、スタジオ内部では混乱が続いている。セクハラ疑惑や度重なる延期、リリース直後のサーバートラブル、開発チームの大量解雇など、問題は山積している。さらに、創設者であるセフトン・ヒル氏とジェイミー・ウォーカー氏はすでにスタジオを離れ、新たなゲーム会社「ハンドレッド・スター・ゲームズ」を立ち上げている。このような背景を考慮すると、Rocksteadyが開発する新作バットマンゲームが成功するかどうかは未知数であるが、期待しているファンも多く、私もその一人だ。
まとめ
Rocksteady Studiosがバットマンシリーズの開発に回帰する可能性は高いが、まだ公式発表はされておらず、実際の発売は数年先と見られる。『スーサイド・スクワッド』の大失敗を受け、WB Games全体が方針を見直し、シングルプレイヤーゲームの成功例に注力し始めている。特に『ホグワーツ・レガシー』の大ヒットは、今後のゲーム開発の方向性を示唆している。
Rocksteadyの新作バットマンゲームが、過去のアーカムシリーズのような革新的な作品になるのか、それとも新たな方向性を模索するのか、今後の発表に注目したい。