家の騒音対策と電気代節約に効果抜群なインナーサッシとは?先進的窓リノベ事業の事情

住宅
The image of the loggia in the brick house

3月、将来を見据えて駅から徒歩2分という駅近にマンションを購入。近年、駅近の需要増もあってマンション選びでは絶対に外せない条件となっています。とくに車生活の無い私にとっては必須です。マンション購入にあたっては、価格相場が上昇していることに加え、住宅ローン金利の節目も迎えていたので、少し焦りを感じながら数ヶ月で購入を決めました(焦って買うのはあまり良くない)。

人気なエリアでは、売りに出てから売買されるまでがとにかく早いのです!内見に行って数日迷っているうちに買われてしまうこともしばしば…。そんなこともあり、思い切って購入に至りました。

リノベーションマンションで中身は新築のように綺麗であり、日当たりが悪いこと以外は満足でした。しかし、住んでみると落とし穴が!地上に近い階層なので、日によっては目の前の飲み屋から酔っぱらいが出てきてうるさいのです!近隣の人は耳栓でもして寝ているのだろうか?と不思議です。

そこで、今回はマイホームの騒音対策を調べていくうちに発見した「先進的窓リノベ事業」(補助金)について解説します。

今なら騒音対策に使える補助金制度「先進的窓リノベ事業」

騒音対策で一番効果的とされているのが「インナーサッシ」の増設です。一般的な窓ガラスの室内側にもう一枚ガラス窓を取り付けると言うもの。本来は騒音対策用ではなく、室内の機密性保持を目的としたもので、夏には冷房を逃さず、冬には熱を逃さないという効果が期待できます。近年は電気代の値上がりもあって、注目されています。

電気の節約=省エネということで、国がインナーサッシの導入を勧めており、4月から補助金申請が始まったのです。

騒音にも絶大な効果があるということで、私もタイミング良く補助金制度を発見し、リフォーム業者に早速相談してきました。なお、経産省の先進的窓リノベ事業のサイトには、公式の登録業者がリスト化されており、登録業者でないと補助金の申請はできないため、最寄りの登録業者に相談すると良いでしょう。
▼経産省-先進的窓リノベ事業

業者に聞いたインナーサッシを導入する際の注意事項

リフォーム業者には実際に内見してもらい、見積もりを取ってもらうことをお勧めします。家を見てもらうと、電話などでは伝わらない問題がいくつか出てくることもあります。

案の定、内見してもらうと色々と相談事が出てきました。

まず初めに、インナーサッシは窓から手前7cm以上の幅が必要です。窓を見てもらうと、窓の手前に平らな枠が床、側面、天井と一周しているかと思います。この幅が7cm以上必要なのです。我が家の場合は、リノベーションした際に古い床板に新しい床板を重ねる形でリフォームされていました。そのため、窓際に重ねた板の切れ端が出てしまうため、丸みのあるサンでカバーされています。これによって床面だけ平らな7cmの幅が取れないと言うことで、平らにする板を施工してもらわなければなりません。施工金額は5000円程度とのこと。

我が家の床側の窓際。フローリングの端が山の形に丸みを帯びているのでこれを平らにする必要があります。
赤い矢印を引いた幅が7cm以上必要(側面、天井、床)。我が家は10cmありましたので周囲は問題ないとのこと。

次に、窓に防火ガラス(網状の金属が入っているガラス)を使っている場合、外側の窓とインナーサッシの窓の間に熱が溜まり、ガラスが膨張することで、自然と割れてしまう可能性があるということ。割れる時は端から小さいヒビが入るとのことで、気にならない人はそのままにしている人も多いのだとか…。対策としてはどちらかの窓を開け、熱を逃すくらいしかないようです。また、遮熱ガラスを使った窓も割れる可能性がある。と製品メーカーは注意を呼びかけています。リフォーム業者によると「防火ガラスが割れるクレームは結構あるが、遮熱ガラスが割れたという事例はまだ聞いたことがない」ということでした。我が家は3ヶ所が防火ガラスになっており、取り扱いには注意が必要です。

騒音防止に対しては、一般的に部屋を狭くしたくないので、既存の窓にできるだけ近い場所にインナーサッシを設けたい(既存窓とインナーサッシの間を無くしたい)という要望が多いようですが、騒音は間の空気の層が重要だということを教えてくれました。できるだけ既存窓とインナーサッシの間を多く取り、空気の層を厚くすることで、騒音防止効果を高めることができるのです。

補助金の利用はまだ間に合うのか?先進的窓リノベ事業の実情

そしてここからが本題です。

これから先進的窓リノベ事業による補助金制度を利用したい!!という方。正直言うと、とにかく急ぐ必要があります。いや利用するのが無理かもしれません…。

4月に始まった補助金制度ですが、これが今までにないくらい大規模な予算額になっているようです。しかし、注文も殺到しており、窓ガラスやサッシの製品供給が追いついていないのが実情です。そのため、注文してから工事するまではおおよそ3ヶ月かかります。

先進的窓リノベ事業の公式サイトでは、予算に対する現状の申請額を見ることができ、予算が終わり次第、本事業は終了となってしまうのです。4月に始まり、約1ヶ月間で10〜15%の申請がありました。すでに注文済みで施工待ちの人たちを考えると、早くて8月、遅くとも9月には予算が終わってしまう計算になります。これを予測して、家電量販店のエディオンなどの大手では、すでに受注を停止しているケースも見受けられます。

経産省先進的窓リノベ事業公式サイトより、補助金申請額の割合推移。
経産省先進的窓リノベ事業公式サイトより、補助金申請額(5月9日時点)。

私が補助金制度を発見したのは4月末でした。リフォーム業者には「間に合うかどうか微妙な線だね」と告げられて悩みましたが、我が家の場合は騒音に加え、日当たりが悪いということもあるので、どちらにせよ早めにいつかやらなくてはならないだろ!と考え、注文を決断しました。ただし、やはり施工時期は8月の上旬予定となっています。補助金が使えればラッキーということで…。

因みに見積もりを取ってもらうと、インナーサッシの価格と工事費用でおおよそ50万円(窓5ヶ所)。なんと!50万円に対して補助金は役35万円!これはラッキーとかで済まされない金額です。

なお、先進的窓リノベ事業が始まる前には、「こどもみらい住宅支援事業」という補助金制度がインナーサッシに利用できました。実はこの補助金制度も2022年11月末に早々に終了してしまい、先進的窓リノベ事業が継続スタートしたという形です。なので終了してもさらに継続する可能性もなきにしもあらずなのです。

とにかく今年の夏と冬は快適に過ごしたい!電気代を節約したい!騒音対策をしたい!という方はお早めに。8月頃には施工後の話をしたいと思います。

2024.2追記 内窓設置レビュー

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