2000年に初代PlayStationで発売された『ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち』が、現代の技術と新たなアイデアで再誕する。タイトルは『ドラゴンクエストⅦ Reimagined(リイマジンド)』。発売日は2026年2月5日で、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、PS5、Xbox Series X|S、Steam、Windowsと、幅広いプラットフォームで発売予定だ。
本作は単なるリメイクにとどまらず、ストーリー、バトル、システムすべてを再構築した“再創造”と呼べる意欲作。東京ゲームショウ2025で発表された内容を中心に、ドラクエファン必見の最新情報を詳しくお届けする。
やり込み要素はそのままに、遊びやすさが向上?
ビジュアル刷新:「人形風ルック」で温かみある世界へ

今作の最大の特徴の一つが、キャラクターやモンスター、街並みにまで実際の人形を用いた3Dスキャン技術を導入していること。まるでドールハウスの中を冒険するかのような「人形風ルック」が実現され、温かみと没入感を両立した新たなビジュアル体験が楽しめる。
ストーリー再編:削除と追加でテンポと深みを両立

オリジナル版で膨大だったシナリオは、「クレージュ」「リートルード」「プロビナ」の3エピソードを削除し、テンポアップを図っている。一方で、主人公とマリベルの幼少期やキーファの離脱を掘り下げる新規ストーリーが追加。任意タイミングで解放できるシナリオも導入され、自由度とストーリーの濃密さが共存している。
・削除されるシナリオ:「クレージュ」「リートルード」「プロビナ」→ テンポ改善とストーリー密度向上のためにカット
・新規追加シナリオ:「主人公とマリベルの幼少期」「キーファ離脱の掘り下げ」など、キャラクターの深掘りが期待される
・任意解放型のサブシナリオ:物語の自由度を大幅に向上する隠しシナリオも登場する
職業システム進化:育成の快適さと戦略性が向上

『ドラゴンクエストVII Reimagined』では、原作でも好評だった職業システムが大幅に強化されている。従来のようにひとつの職業を順番に極める形式ではなく、今作では1人のキャラクターが同時に2つの職業を兼ねることが可能になった。これにより、戦闘スタイルや育成ルートの幅が広がり、プレイヤー独自の戦略が構築しやすくなっている。
また、キャラクターには固有の初期職業が新たに設定されており、例えば主人公は「漁師の息子」、マリベルは「網元の娘」といった、背景に基づく職業で冒険を始める。これらの職業は、戦闘や成長において独自のスキルを持ち、序盤から育成に個性を与えてくれる要素となっている。
さらに、モンスター職が廃止された代わりに、「モンスターの心」はアクセサリーとして登場。これを装備することで、ステータスが強化されたり、特殊な効果が発動したりと、従来の職業とは異なる強化手段として機能する。実機プレイでは、「スライムの心」で回避率がアップ、「さんぞくの心」で攻撃力強化といった効果が確認されており、集める楽しみも加わっている。
そして、新要素「バーストチャージ」の導入も注目ポイントだ。これは戦闘中に一定条件を満たすことで発動可能となる特殊技で、各職業やキャラの特性を活かした派手な演出と強力な効果を持つ。戦略的な駆け引きに新たな層が加わり、戦闘の奥深さが格段に増している。
・1キャラが同時に2つの職業を掛け持ち可能
・各キャラには初期固有職業(例:漁師の息子、網元の娘)あり
・「モンスターの心」はアクセサリー化し、ステータス補助やスキル発動が可能
・新要素「バーストチャージ」で戦闘中に必殺技を放つ演出も
バトル調整:「どとうのひつじ」も適正に再設計

実機プレイでは、ガボが「どとうのひつじ」を使用する場面が確認された。PS版ほどの壊れ性能ではないが、3DS版よりも強力で、バランスの取れた仕様になっている。また、オートバトル・倍速機能の導入により、テンポよく戦闘が進むのも嬉しいポイントだ。
・「どとうのひつじ」はPS版と3DS版の中間程度の強さに調整
・モンスター職の廃止により育成はシンプル化
・オートバトルや倍速機能で戦闘テンポが快適に
新コンテンツ「闘技場」:歴代魔王と真剣勝負
新たなやり込み要素として「闘技場」が登場。ここでは歴代の魔王たちとのバトルが楽しめ、ダウンロードコンテンツとしても展開される予定。高難易度コンテンツとして、ヘビーユーザーに向けた挑戦要素となっている。
・歴代魔王と戦える超高難度コンテンツが登場
・豪華景品あり/有料DLCにも対応予定
・少ないターンで敵を倒すなど、ランキング要素もあり
快適性向上:初心者にも優しい設計へ

『ドラゴンクエストVII Reimagined』では、初めてドラクエシリーズをプレイするユーザーにも配慮された、数多くの快適性向上が図られている。
まず、原作や3DS版で多くのプレイヤーが苦戦した「石板探し」が大幅に改善された。今作では、ミニマップ上に未発見の石板の位置が表示されるだけでなく、町の住人や案内人がヒントを提供してくれるなど、自然な導線でプレイヤーを誘導するシステムが整備されている。これにより、物語のテンポを損なわずに探索を楽しむことが可能となった。
また、従来は転職のために必ず「ダーマ神殿」へ行かなければならなかったが、今作ではフィールド各地に設置された「女神像」を調べることで、回復・セーブに加えて転職も行えるようになった。これにより、ダーマ神殿への往復の手間が省かれ、育成や戦術変更が非常にスムーズに行えるようになっている。
さらに、戦闘面では「オートバトル」や「戦闘速度倍速機能」が搭載されており、レベル上げや雑魚戦のストレスを大きく軽減。テンポよく進めたいプレイヤーにとっては非常にありがたい改良だ。
加えて、今作ではプレイヤーの熟練度やプレイスタイルに応じて選べる「難易度設定」も導入。「やさしい」「ふつう」「むずかしい」の3段階が用意されており、RPG初心者から上級者まで、自分に合った挑戦ができる設計となっている。
これらの快適性向上は、原作で挫折したプレイヤーや、シリーズ未経験者にもやさしい設計となっており、より多くのユーザーに『ドラクエ7』の魅力を体験してもらうための工夫が随所に感じられる。
・石板探しが超快適:ミニマップ表示&案内人によるヒント付き
・どこでも転職可能:「女神像」から転職・回復・セーブが可能に
・難易度選択機能:「やさしい」〜「むずかしい」まで調整可能
カットされた寄り道要素と新たな楽しみ
「カジノ」「移民の町」「モンスターパーク」「世界ランキング協会」といった寄り道要素は残念ながら削除された。しかし、「ラッキーパネル」は新たな形でリニューアルされており、新たな楽しみ方が用意されている。
・削除された要素:「カジノ」「移民の町」「モンスターパーク」「世界ランキング協会」
・「ラッキーパネル」は新たな形でリニューアル実装予定
原作ファンも新規も楽しめる“再創造”のドラクエⅦ

『ドラゴンクエストVII Reimagined』は、グラフィック強化にとどまらず、ストーリー構成、戦闘システム、育成要素、ユーザーインターフェースのすべてにおいて再構築された作品である。原作を愛したファンには新たな発見を、新規プレイヤーには快適でわかりやすい冒険を提供してくれる。
発売は2026年2月5日。これまでにない新しい『ドラクエ7』を、ぜひその目で確かめてほしい。