リメイク版「ドラクエ3」攻略しやすいヌルゲーRPGになった5つの新要素【HD-2D】

Nintendo Switch

「ドラゴンクエスト3」は日本のRPGの金字塔。
1988年にファミコン版が発売され、スーパーファミコン、ゲームボーイ、さらにはPS5、Switchへと時代を超えて愛され続けており、ドラゴンクエストシリーズの中でも名作中の名作と言えるだろう。しかしながら、約30年前にファミコン版やスーファミ版は子供ながらに難易度が高く、魔王ゾーマを倒すに至らなかったというプレイヤーも多いのではないだろうか。

今回発売されたPS5、Switchのリメイク版は、子供から大人まで楽しめる難易度となっており、昔全クリに至らなかったプレイヤーも懐かしさを感じながらサクッと遊べるものになっている。それでは、どのような部分が改善されたのか、攻略しやすくなったポイントを解説する。


名作たる由縁、長く愛されるドラゴンクエスト3とは?

「ドラゴンクエスト3」は、1988年にファミコン向けに発売されたRPGの名作である。それまでの「ドラゴンクエスト1・2」から大幅に進化を遂げ、広大な世界観を持つ冒険やパーティーを育成する楽しみが多くのプレイヤーを惹きつけた。特に職業システムの導入が大きな特徴である。プレイヤーは仲間の職業を自由に選び、転職によって新たな能力を習得しながらパーティを構築できる。しかも物語の最初からフルパーティーを組めるという…。

また、広大で多層的な世界マップも特徴である。陸・海・空を探索でき、ドラクエ1・2の世界規模とは明らかにスケールアップしているだろう。さらに、豊富な装備品、性格によるステータスの違い等々、挙げればキリがないが、「ドラゴンクエスト3」には、名作と呼ばれる由縁が数多くあることは間違いない。発売から約30年に至るまでリメイクや移植が続けらていることこそが、その人気の証だ。


初心者に親切な新機能でゲーム難易度がやさしく

冒頭で述べたように、リメイク版ドラクエ3は子供から大人まで遊びやすい難易度に進化している。近年のゲームは、ファミコンやスーファミ時代に比べれば、全体的に全クリ難易度がやさしくなっているのは間違いない。ドラクエ3も時代の流れと共に、遊びやすさと楽しさのバランスを取り、各所の変更が見受けられる。何がやさしくなったのかスーファミ版やゲームボーイ版を遊んできた目線で解説しよう。

1.難易度設定の追加で初心者も安心して楽しめる

リメイク版では、3段階の難易度設定が追加されている。冒険の書を作る際に、サクッとストーリーを楽しむ簡単なモード、ストーリーとゲーム性を楽しむ普通モード、とことん戦闘を楽しむ難しいモードの3つが選択できる。難しいモードになるにつれて、経験値の量が減るシステムとなっており、キャラの成長が遅くなるというわけだ。

私は普通モードで遊んでいるが、過去作に比べて敵が弱くなっている印象だ。とくに序盤ではキャタピラーやフロッガー、じんめんちょうに殺されかけた記憶がよみがえったが、そのような危機に陥ることもなかったし、少しレベル上げしていかなければ!ということもなかった。

なお、難易度設定は旅の途中でも変更できるので安心してほしい。

2.次の目的地を知らせる機能で迷子知らずに

RPGの進め方は町の人から情報を聞き出し、新たな町やダンジョンを目指すというもの。しかし、船を入手し、行動範囲の自由度が増えた結果、どこに行けばいいのか分からない。見知らぬ地に降り立ったら強敵が出てきてなぶり殺しに。というのはドラクエプレイヤーなら誰しもが経験してきたはずだ。これによって途中で挫折する人もいただろう。そこで今作には、マップ上で次に行く正規ルートを印す機能が追加された。ON・OFFの切り替えは冒険の途中でも可能で、困った時だけ使うこともできる。これによってサクサクとストーリーを進めることが可能になった。

3.意外に強キャラ!?「まもの使い」の登場でバランス安定

今作の目玉となるのが新職業「まもの使い」の追加だ。いくつかドラクエシリーズにはまもの使いという職業が登場する。一番の魅力はモンスターを仲間にできる唯一の職業で、モンスターをパーティーに入れて育てたり、戦うことができた。しかし、今作はまもの使いがいなければモンスターを仲間にすることができないというわけではない。また、パーティーに入れて冒険をするというシステムでもなく、コレクション感覚でモンスターを仲間にし、バトルロードで戦わせるというシステムになっている。

これらを聞くとまもの使いってそれほど重要じゃない。と思われるが、今作のまもの使いは一味違う。モンスターを仲間にするなどの特殊能力はさておき、覚える特技が強力でステータスの成長具合もほかに劣らないのだ。他作品のまもの使いと言えば、戦闘においては可もなく不可もなくでボス戦ではいまいち…。という場面もあったが、今作においては「まもの呼び」や「岩石落とし」、「ビーストモード」といった強力な特技を覚え、攻守ともにそこそこなステータスを持つ。これによってパーティーのバランスがとりやすく、より攻略しやすくなっている。

▼より詳しい「まもの使い」のシステム解説はこちら

4.ステータスアップのたねがそこら中に撒かれている

今作の新たな要素となるのがマップ上の“キラキラ”である。マップ上に数多く存在するキラキラを調べると、ドラクエでお馴染みの「いのちのきのみ」や「ちからのたね」などのステータスアップアイテムが手に入る。通常このアイテムは町にある壺や樽、タンスなどを調べると時折手に入るアイテムであるが、今作ではマップ上のあちらこちらに撒かれている。そのため、少し冒険すると10個近く手に入ることとなり、キャラクターの育成がかなり容易となる。

5.ダンジョンで迷わない!すべてのマップが見れる

RPGの醍醐味と言えばダンジョンの探検だ。先に進むルートが分からずにさまよい、いつのまにかHP・MPともに尽きてしまうこともしばしば…。この道通った気がする!と迷うこともあり、2階、3階、さらには穴が空いて落ちる場所があった時にはどこに行けば良いのやら…。というダンジョンが多々出現するドラクエ3だが、今作ではダンジョン内の全体マップも入った瞬間から見れるようになっている。昔は通った道がマップ上で明らかになっていくシステムで、一か八か進んでみたが行き止まりだったというのが当たり前だった。最初から全体マップが見えることで、階段の場所も一目瞭然。宝箱があるんではないか?と一応マップ全体を歩いてみるのは変わらないが、ほぼ迷うことはなくなっている。

挫折した人にこそ再挑戦してほしいドラクエ3の冒険

リメイク版ドラクエ3は、過去作の難しさで挫折してしまった人にこそプレイしてほしい作品だ。攻略が容易になっただけでなく、新要素やHD-2Dグラフィックも相まってまったく新しいドラクエ3に進化を遂げている。一方、近年の難易度を低く設定したゲームではやりがいが無くなってしまうという声もあるだろう。今作では、サクサク進められてしまうことからドラクエ=レベル上げという概念が消えている。ストーリー通りに進んでいけば基本的にはなんとかなるといった具合だ。RPGでは、迷うことやボスが倒せない、もっと強くしたいというのが面白みの要素であるが故にゲームレベルのバランスは非常に重要だ。そんな方は、ぜひ難しいモードで勇者の冒険に旅立ってほしい