ポケットモンスターの大人気カードゲーム「ポケモンカードゲーム」は、トレーディングカードゲームの火付け役であり、1996年に発売を開始。25年以上が経つ現在においても多くのプレイヤーに親しまれている。そして、2024年にはスマートフォンでカジュアルに楽しめる新しいゲーム「Pokémon Trading Card Game Pocket」(通称ポケポケ)がついに登場した。この2つのゲームはポケモンカードゲームに違いはないが、ルールに大きな違いがある。本記事では、これからポケモンカードゲームを楽しむ人に向け、その違いを解説しよう。
ポケモンカードゲームの基本ルール
ポケモンカードゲームは、カード収集と対戦を楽しむことができる本格的なカードゲームである。ゲームの基本的な流れは、プレイヤーが交互にカードを引き、バトル場のポケモンを戦わせながら勝利条件を目指すというものだ。以下は「ポケモンカードゲーム」の基本ルールだ。
まず、プレイヤーは60枚のカードを選び、対戦するカードデッキを作成する。デッキには以下の種類のカードが含まれる。

- ポケモンカード:プレイヤーが戦わせる主要なモンスターカード。進化前(たねポケモン)と進化後があり、火、水、草、電気などのタイプに分けられる。
- エネルギーカード:ポケモンは相手にダメージを与えるためにワザを使用する。ワザの使用に欠かせないのがエネルギーカードだ。ポケモンのタイプと同様の種類があり、各ワザにはエネルギーカードの枚数が指定されており、これを満たすことでワザを使用することができる。なお、エネルギーカードの付与は1ターンに1枚。
- トレーナーズカード:試合を有利に進めるための特殊な効果を持つカード(例:グッズ、ポケモンのどうぐ、サポート、スタジアム)。ポケモンの攻撃力を上げたり、カードをデッキから引く、エネルギーカードを複数枚付与するなど多様な効果がある。
- 特別なカード:ポケモンex、ポケモンV、ポケモンVSTAR、ポケモンVMAX、ポケモンV-UNION、かがやくポケモンといった強力な能力を持つカード。HPが高く、強力なワザや効果を使えるポケモンとなっている。

各プレイヤーは最初に7枚の手札を引き、バトル場に1匹のポケモンを出し、ベンチに最大5匹までポケモンを配置できる。そして、サイドに裏側で6枚のカードを用意し、相手のポケモンを倒すごとに1枚ずつサイドカードを取得していく。すべてのサイドカードを先に引いたプレイヤーが勝利となる。

ターンの最初にデッキから1枚づつカードを引いて対戦は進む。エネルギーカードをポケモンに付与することで技を使えるようになり、サポートカードやグッズカードを活用して戦局を有利に進める。ポケモンの進化は1ターンに1段階ずつ可能で、バトル場とベンチに出ている複数のポケモンを1ターンで複数進化させることもできる。
さらに、ポケモンのタイプには弱点があり、弱点の攻撃はダメージが2倍になる。相手のデッキが自分のデッキの弱点を突くタイプで構築されている場合、戦局を覆すのが難しい。そのため、2種類のタイプを混同してデッキを構築する手段もある。しかし、その場合は2種類のエネルギーカードを入れる必要があり、デッキ構築時のポケモン、エネルギーカードのバランスが極めて重要となる。
▼ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイト-ポケモンカードゲームのあそびかた
Pokémon Trading Card Game Pocketの基本ルール
ポケポケは、スマートフォン向けに最適化されたルールを持つカードゲームである。ポケモンカードゲームのエッセンスを保ちながらも、シンプルかつ短時間で楽しめることを意識し、遊び方にも少々変更が加えられている。
ポケポケは、20枚で構成されたデッキを使用する。以下がデッキに含まれるカードの種類である。
- ポケモンカード
- トレーナーズカード:2025年1月時点では、グッズとサポートのみ実装。
- 特別なカード:2025年1月時点では、ポケモンexのみ実装。

プレイヤーは最初に5枚の手札を引く。バトル場に1匹のポケモンを出し、ベンチには最大3匹まで配置可能である。サイドカードは存在せず、相手ポケモンを倒すごとにポイントが加算され、先に3ポイントを取得したプレイヤーが勝利するシステムだ。なお、1匹倒すとポイントは1点獲得でき、強力なポケモンexを倒すと2点を獲得する。
ポケモンカードゲームとの大きな違いはエネルギーカードが存在しないことだ。デッキにエネルギーカードが存在しない代わりに、毎ターン「エネルギーゾーン」から1つエネルギーをポケモンに付与できる。デッキに複数のタイプのポケモンが含まれている場合、それに応じた複数のタイプのエネルギーがランダムで使用できる。
ポケモンの進化やトレーナーズカードの使用については、ポケモンカードゲームと同様であるが、ポケモンの弱点においては、攻撃力の補正は2倍ではなく、+20の固定値である。
「ポケモンカードゲーム」と「ポケポケ」の違いまとめ
項目 | ポケモンカードゲーム | Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ) | 主な相違点 |
---|---|---|---|
デッキの枚数 | 60枚 | 20枚 | ポケポケはデッキがコンパクト |
同じカードの枚数 | 最大4枚 | 最大2枚 | ポケポケはデッキ枚数が少ない分、同じカードを入れられる数も少ない |
特別なカード | 「ポケモンex」「ポケモンV」「ポケモンVSTAR」等 | 「ポケモンex」のみ | ポケポケでは今後順次実装の可能性あり |
最初の手札枚数 | 7枚 | 5枚 | ポケポケは少ない手札でスタート |
ベンチの数 | 最大5匹 | 最大3匹 | ポケポケは手軽に遊べることから出せるポケモンの数も少ない |
サイドカード | 6枚設定し、取得で勝敗を決定 | 存在せず、ポイント制(先に3ポイント取得で勝利) | 勝利条件が異なる |
エネルギー付与 | エネルギーカードを使用 | エネルギーゾーンから毎ターン1つ配分 | ポケポケではエネルギーカードが不要 |
弱点補正 | ダメージ2倍 | ダメージ+20 | ポケポケでは補正が小規模 |