【評価】『ドンキーコング リターンズ HD』の新要素や難易度、やりこみ要素を詳しくレビュー

4.0
Nintendo Switch
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さらに進化する『ドンキーコング リターンズ HD』を評価

『ドンキーコング リターンズ HD』は、2010年にWiiで発売された『ドンキーコング リターンズ』のリマスター作品であり、2013年の3DS版『ドンキーコング リターンズ 3D』に続く2度目のリメイクとなる。今回のHDリマスター版はNintendo Switch向けに発売され、グラフィックの向上と新たな「モダンモード」を追加したことで、オリジナル版に比べて遊びやすくなっている。

果たしてこのリマスターは、どのような人が楽しめるのか? すでに『ドンキーコング トロピカルフリーズ』もリリースされている中で、本作の魅力や課題を詳しくレビューしてみよう。

ドンキーコング リターンズとドンキーコング リターンズ HDの違い

1. グラフィックの向上

オリジナルのWii版はSD解像度(480p)だったが、Switch版の『リターンズ HD』ではフルHD(1080p)に対応。キャラクターや背景のディテールが強化され、より鮮明な映像で楽しめる。

2. モダンモードの追加

Switch版には、新たに「モダンモード」が追加された。このモードでは初心者向けの調整が施されている(後述)。

3. 新コースの追加

Switch版には3DS版で追加されたステージも収録されており、合計で全80ステージが楽しめる。

4. 3D立体視の非対応

3DS版『ドンキーコング リターンズ 3D』には3D立体視機能が搭載されていたが、Switch版ではこの機能がなくなった。その代わり、HD解像度による視認性の向上が図られている。

HD化によるグラフィック向上と立体感あるステージ

本作の最大の特徴のひとつは、HD化によるビジュアルの向上だ。Wii版ではSD解像度だったグラフィックが、Switchではより鮮明になり、背景の奥行きやキャラクターのディテールが際立つようになった。特に立体視を活かした奥行きのあるステージは、迫力あるアクションを楽しめる要素となっている。ジャングル、火山、遺跡、鉱山といった多彩な環境がより魅力的に映り、葉や水しぶきなどの細かいエフェクトも強化され、没入感が増している。

また、オリジナル版の操作性はそのままに、新たな「モダンモード」が追加された。このモードでは、ドンキーコングとディディーコングの体力が1つ増加する。さらには、オリジナルモードではお助けアイテムの持ち込みが1個のみだったが、モダンモードでは9個まで持ち込むことが可能になった。ゲームの難易度は各ステージによってやさしかったり、とても難しかったりとバラバラなのはドンキーコングシリーズお馴染みで、難しいステージでは挫折を味わいプレイが遠のいてしまうこともあるかもしれない。そのような場面でのお助け機能としてクランキーコングのショップで新アイテムの購入が可能とり、初心者でも遊びやすい設計となっている。例えば、落下ミスを防ぐ「バルーン」や敵の攻撃を防ぐ「ハートの守り」など、ゲームの難易度を調整できるアイテムが揃っているのが嬉しい。

HD化によるグラフィック向上と立体感あるステージ

『ドンキーコング リターンズ HD』の特徴は、シンプルながらも緻密に作り込まれた高難易度のアクションだ。ジャンプやローリングのタイミングが重要で、敵やギミックを巧みに乗り越えて進んでいく。

特に、樽大砲やトロッコステージはスリリングな展開が待ち受けており、一瞬のミスが命取りになる緊張感がある。トロッコステージでは、急カーブや崩壊する足場が連続し、わずかな操作ミスでゲームオーバーになってしまう。奥行きを活かしたギミックや仕掛けが多く、変化に富んだステージ構成になっており、飽きずにプレイできる。

また、モダンモードを活用すれば、オリジナル版よりもやや遊びやすくなっているため、新規プレイヤーや子供でも手軽に楽しめる。ハートの数やお助けアイテムが増加し、初心者でも挑戦しやすいバランスになったのは好印象だ。しかし、それでも決して簡単なゲームではなく、特に終盤の難易度は高めに設定されている。リスタート地点の間隔がもう少し細かければ、さらに遊びやすかったかもしれない。とはいえ、子供から大人まで幅広いプレイヤーがちょうど良い難易度で遊べるようになったことは楽しさにもつながっていると感じられる。

やりこみ要素満載!収集と探索の楽しさ

本作でもドンキーコングシリーズお馴染みの「KONG」パネルやパズルピースの収集といったやりこみ要素は健在だ。すべて集めることで追加コンテンツがアンロックされるため、探索好きなプレイヤーには嬉しい要素だ。特に、パズルピースはステージ内の隠しエリアに配置されており、見つけるにはプレイヤーの観察力と試行錯誤が求められる。

各ワールドのボス戦も個性的で、攻略法を見極める楽しさがある。爆弾を投げてくるハゲタカや、メカニカルなニワトリなど、ユニークな敵キャラたちが待ち構えている。中には攻撃のフェイントを織り交ぜてくるボスもおり、プレイヤーの反応速度が試される場面も多い。

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『トロピカルフリーズ』との比較

2014年にWii Uで発売された『ドンキーコング トロピカルフリーズ』は、2018年にSwitchでリメイクされており、本作との比較は避けられない。『トロピカルフリーズ』は、ビジュアルの進化や追加キャラクター、新アクションの導入によって、より洗練されたゲーム体験を提供している。もとを辿れば『ドンキーコング トロピカルフリーズ』のほうが後続タイトルである。

そのため、本作『リターンズ HD』はやや古めかしく見える部分もある。特にステージの演出や難易度バランスの点で、『トロピカルフリーズ』の方が完成度が高く感じられる。しかし、純粋に2Dアクションの原点を楽しみたいなら、『リターンズ HD』のシンプルなゲームプレイは魅力的だ。特に「バナナコイン」を使ったショップ要素や、壁に隠されたボーナスエリアなど、昔ながらの探索要素が好きなプレイヤーには本作の方が刺さるだろう。

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総評:名作リマスターの価値は十分にある!

『ドンキーコング リターンズ HD』は、2Dアクションゲームの傑作を現代のハードで楽しめる作品であり、特にオリジナル版をプレイしたことのない人にとっては魅力的な選択肢となる。

しかし、『トロピカルフリーズ』と比較すると、見劣りする部分もあるため、どちらかを選ぶなら後者の方が満足度は高いかもしれない。それでも、名作のリマスターとしての価値は十分にあり、挑戦的なゲームプレイを求めるプレイヤーにはおすすめできる。

良い点

  • HD化によるグラフィックの向上
  • モダンモードの追加で初心者も楽しめる

惜しい点

  • 『トロピカルフリーズ』と比べるとややシンプル

こんな人におすすめ!

✅ ドンキーコングシリーズ未体験の人
✅ クリアすることはできなくもないが、難易度が高いアクションゲームが好きな人
✅ 『トロピカルフリーズ』をプレイ済みで、過去作も楽しみたい人